犬の狂犬病ワクチンの時期と費用|2027年から通年接種へ

執筆・編集: うちの子のかかりつけ編集部
犬の狂犬病ワクチンは生後91日以上の犬に年1回の接種が法律で義務づけられており、費用は注射料金と注射済票交付手数料を合わせて1回あたり3,500〜4,000円前後が目安です。接種時期は現在のところ毎年4月1日〜6月30日が原則ですが、2027年度(令和9年度)から通年接種が可能になる見込みで、ルールが変わる過渡期にあります。ここでは時期・費用・手続きを、初めて犬を迎えた方にもわかるように整理します。
狂犬病ワクチンは「年1回」が飼い主の義務
狂犬病予防法により、犬の飼い主には次の3つが義務づけられています。任意接種である混合ワクチンとは性格が異なり、こちらは法律上の義務です。
- 現在居住している市区町村に飼い犬を登録すること(生涯に1回)
- 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
- 交付された鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること
登録は所有者を明らかにするためのもので、万一地域で狂犬病が発生した際に迅速な対応を可能にする目的があります。鑑札には登録番号が入っており、迷子になったときに飼い主のもとへ戻る手がかりにもなります。
接種の時期|子犬は生後91日から、2年目以降は毎年
初めて犬を迎えた場合と、2年目以降とで流れが異なります。
| タイミング | やること | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 子犬を迎えたとき | 生後91日を過ぎたら市区町村へ犬の登録 | 生後91日から30日以内 |
| 同上 | 狂犬病予防注射を受け、注射済票の交付を受ける | 登録とあわせて実施することが多い |
| 2年目以降 | 年1回の狂犬病予防注射 | 現在は毎年4月1日〜6月30日が原則 |
成犬を迎えた場合や引き取った場合も、登録が済んでいなければ同じ手続きが必要です。前の飼い主のもとで登録済みであれば、転居扱いとして新しい市区町村へ届け出ます。
なお、子犬は狂犬病ワクチンのほかに混合ワクチンの接種も一般的に行われます。両者の間隔をあける必要があるため、順番は獣医師と相談して決めます。詳しくは子犬のワクチンスケジュールをご覧ください。
2027年度から「通年接種」へ|制度変更の見込み

ここが現在いちばん押さえておきたいポイントです。厚生労働省の審議会で、接種期間を4〜6月の3か月間に限っている現行の規則を見直し、通年で接種できるようにする方針が了承されました。狂犬病予防法施行規則の改正により、2026年4月に公布、2027年(令和9年)4月に施行される見通しとされています。
見直しの背景には、飼い主の利便性を高めたいという声に加え、年度初めの繁忙期と集合注射の時期が重なる自治体側の事情もあります。
飼い主として大切なのは、次の2点です。
- 2026年度中(今シーズン)は、これまでどおり春の接種が原則です。自治体から届くはがきの案内に従って手続きしてください。
- 通年接種が可能になっても「年1回」の義務そのものは変わりません。時期の自由度が上がるだけで、接種しなくてよくなるわけではありません。
制度の細部や運用は自治体ごとに案内が出るため、切り替えの時期にはお住まいの市区町村からの通知を必ず確認してください。
費用の内訳|「注射代だけ」ではない点に注意
会計時に「思っていたより高い」と感じやすいのは、注射料金以外の手数料が加わるためです。手数料は法令で定められており、全国でおおむね共通です。
| 項目 | 費用の目安 | いつ必要か |
|---|---|---|
| 狂犬病予防注射の料金 | 約3,000〜3,500円 | 毎年 |
| 注射済票の交付手数料 | 550円 | 毎年 |
| 犬の登録手数料(鑑札交付) | 3,000円 | 初回のみ(生涯1回) |
つまり初年度は合計6,500〜7,000円前後、2年目以降は3,500〜4,000円前後が一つの目安になります。自治体が実施する集合注射(公民館などでの一斉接種)を利用すると、動物病院で受けるより安く済む場合があります。一方、動物病院であれば同時に健康状態を診てもらえる、混雑を避けやすいといった利点があります。
予防にかかる費用は狂犬病ワクチンだけではありません。フィラリア予防やノミダニ予防とあわせて、年間の予防費として計画しておくと家計の見通しが立てやすくなります。
打ち忘れた・時期を逃したときは

4〜6月に接種できなかった場合でも、そのまま放置せず、気づいた時点で動物病院に相談してください。年度内であれば接種を受けて注射済票の交付を受けられるのが一般的です。手続きの詳細は自治体によって異なるため、市区町村の窓口に確認するのが確実です。
また、体調不良や高齢、持病などを理由に接種が難しい場合もあります。この場合は獣医師の判断で「猶予証明書」が発行されることがあり、それを自治体に提出することで対応します。自己判断で接種を見送るのではなく、必ず獣医師に相談してください。持病がある子ほど、日ごろから状態を把握してくれているかかりつけ医の存在が助けになります。まだ決まっていない方はお住まいの地域の動物病院を探すところから始めてみてください。神奈川県の動物病院のように地域から探すこともできます。
接種当日は、犬の体調がよい日を選ぶことが大切です。接種後は激しい運動やシャンプーを避け、数時間は様子を見られるよう、午前中など時間に余裕のある時間帯に受けると安心です。
よくある質問
室内犬でも狂犬病ワクチンは必要ですか?
必要です。狂犬病予防法は飼育環境を問わず適用され、生後91日以上のすべての犬が対象です。混合ワクチンは任意接種ですが、狂犬病ワクチンは法律上の義務である点が大きく異なります。
混合ワクチンと同じ日に打てますか?
一般的には日を分け、一定の間隔をあけることが推奨されます。同時接種による負担や、副反応が出た際にどちらが原因か判別しにくくなるためです。具体的な間隔は獣医師の判断によりますので、事前に相談してください。
接種後に気をつけることはありますか?
接種後まれに、顔のむくみ、嘔吐、ぐったりするなどの反応が出ることがあります。接種後30分程度は特に注意し、当日は安静に過ごさせてください。異変があれば接種を受けた動物病院に連絡しましょう。
2027年から通年接種になれば、いつ打ってもよいのですか?
施行後は時期の制約が緩和される見込みですが、「年1回」の義務は継続します。前回接種からおよそ1年後を目安に、獣医師と相談して時期を決めることになります。運用の詳細は自治体からの案内をご確認ください。
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出典
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。手数料や手続きの詳細は市区町村により異なり、制度改正の内容は今後変更される可能性があります。最新の情報はお住まいの自治体および動物病院にご確認ください。
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