ペットが亡くなったらまず何をする?直後の安置・連絡・見積もりの手順

執筆・編集: うちの子のかかりつけ編集部
ペットが亡くなったら、まずは深呼吸をして落ち着いてください。すぐに慌てて手配を進める必要はありません。最初にすることは、(1)体をやさしく整えて安置する (2)保冷して傷みを防ぐ (3)家族に連絡し、少し落ち着いてから火葬の見積もりを取る――この順番です。大切な家族を失った直後は、頭が真っ白になって当然です。この記事では、亡くなった直後の数時間から翌日までに「何を・どの順番で」すればよいかを、落ち着いて行動できるように整理しました。安置の応急処置、誰にいつ連絡すればよいか、火葬の見積もりの取り方、犬に必要な死亡届まで、結論からやさしくお伝えします。
まず深呼吸を:亡くなった直後にすることの全体像
亡くなった直後は、体をきれいにして安置し、保冷することがいちばん大切です。ご遺体は時間とともに変化していきますが、適切に保冷すれば、あわてて夜中に手配しなくても、翌朝落ち着いてから相談できます。まずは時間帯ごとの流れを俯瞰しておきましょう。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 亡くなった直後(〜1時間) | 体をやさしく拭き、眠っているような姿勢に整える。段ボールや箱にタオルを敷いて寝かせる |
| 1〜2時間以内 | 保冷剤やドライアイスでお腹・首・頭のまわりを冷やす。直射日光やエアコンの風が直接当たらない涼しい場所へ |
| 落ち着いてから(数時間〜翌日) | 家族に連絡し、火葬・供養の方法を相談。複数の業者に見積もりを取り、比較して決める |
| 後日(犬は30日以内) | 市区町村へ死亡届を提出し、鑑札・注射済票を返納。ペット保険に加入していれば解約連絡 |
「今すぐ何かを決めなければ」と焦る必要はありません。まずは体を整えて保冷し、お別れの時間を確保することが最優先です。火葬や供養の方法は、少し気持ちが落ち着いてから、家族と相談して決めれば十分に間に合います。
落ち着いて、まず状態を確認する
特に高齢や闘病中の子では、眠っているのか、亡くなっているのか、すぐには判断しづらいことがあります。あわてて動かす前に、静かに次の点を確認しましょう。
- 呼吸: 胸やお腹の上下がまったくないか、口元に手をかざして息を感じないか
- 心臓・脈: 胸に手を当てて拍動がないか、しばらく静かに確かめる
- 反応: 名前を呼んでも、体に触れても反応がないか。目(瞳孔)が開いたままになっていないか
判断に迷うときや、闘病中でかかりつけがある場合は、動物病院に電話で相談してください。診療時間外であれば、夜間に動物病院へかかる方法も参考になります。亡くなったことがはっきりしたら、悲しみのなかでも、まずは体を整えて安置する準備に移ります。
ステップ1:安置の応急処置(体を整えて保冷する)
亡くなってから2〜3時間ほどで死後硬直が始まり、体が固まっていきます。硬直が進む前に、眠っているときのような自然な姿勢に整えてあげると、そのあとの安置や納棺がしやすくなります。
- 体を清潔に: 目や口を閉じ、汚れがあれば湿らせたタオルやガーゼでやさしく拭く。ブラッシングで毛並みを整えてあげる
- 姿勢を整える: 前足・後ろ足をそっと内側に折りたたみ、眠っているような体勢に。硬直が始まっていたら無理に動かさない
- 体液への配慮: 口・鼻・肛門から体液が出ることがあるため、ペットシーツやタオルを敷き、必要なら脱脂綿を当てる
- 安置場所: 箱や棺にタオル・ペットシーツを敷いて寝かせる。直射日光を避け、涼しく静かな場所を選ぶ
- しっかり保冷: 保冷剤やドライアイスで、お腹・首・頭のまわりを重点的に冷やす。保冷剤は溶けたらこまめに交換する
保冷を十分に行えば、涼しい季節で数日、夏場でも保冷剤を交換しながら1〜2日程度は安置できるのが一般的な目安です(環境や体格により異なります)。お別れの時間をしっかり取ってから、次の手配に進みましょう。安置のより詳しい手順はペットが亡くなったらやること|安置・火葬・供養の手順でも解説しています。
ステップ2:誰に・いつ連絡するか

直後は多くのことを同時に考えがちですが、連絡すべき相手を整理しておくと落ち着いて動けます。深夜や早朝の場合は、無理に夜中に業者へ電話せず、朝を待って連絡しても問題ありません。
| 連絡先 | タイミング・内容 |
|---|---|
| 同居の家族 | まず最初に。お別れの時間を一緒に過ごし、火葬の方法を相談する |
| かかりつけの動物病院 | 闘病中だった場合は報告を。病院で火葬業者を紹介してくれることもある |
| ペット火葬・葬儀業者 | 落ち着いてから。複数社に問い合わせ、見積もりを取って比較する |
| 市区町村(犬のみ) | 後日でよい。死亡から30日以内に死亡届を提出する |
| ペット保険会社 | 後日でよい。加入していれば解約と、対象なら手続きの確認 |
夜間・深夜に亡くなった場合の落ち着いた対処のしかたは、夜間・深夜にペットが亡くなったときの対応と安置で詳しくまとめています。夜は保冷をしっかりして朝まで見守り、翌朝に相談するのが基本の考え方です。
ステップ3:火葬の見積もりを取る(慌てて決めない)
火葬は一度きりの大切なお別れです。だからこそ、直後の動揺したまま最初に見つけた業者へ即決するのは避け、いくつかの業者から見積もりを取って比較するのがおすすめです。適切に保冷できていれば、比較する時間は十分にあります。
- 火葬の種類を知る: 他のペットと一緒に火葬する「合同火葬」、一頭ずつ火葬する「個別火葬」(立会い・一任)、自宅近くまで来てくれる「訪問火葬」がある
- 総額で確認する: 表示価格が「火葬のみ」か「骨壺・供養まで含む」かを確認。基本料金のほかに出張費・時間外料金・骨壺代などが別途かかることがある
- 安すぎる料金に注意: 相場より極端に安い場合、後から高額な追加費用を請求されるなどのトラブル例が報告されている
- 返骨の有無: お骨を返してほしいか、合同で供養してもらうか、家族の希望を整理しておく
問い合わせのときは、ペットの種類と体重(またはおおよその大きさ)、希望する火葬の種類、住んでいる地域、返骨の希望を伝えるとスムーズです。同じ条件でいくつかの業者に聞けば、料金とサービスを公平に比べられます。深夜に亡くなった場合でも、保冷ができていれば翌朝に落ち着いて連絡すれば十分間に合います。費用の相場や、見積もりの取り方・比較のコツは、ペット火葬の費用相場と見積もりの取り方・比較のコツとペット火葬の費用相場|個別・合同・訪問火葬の選び方と流れで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
犬は「死亡届」が必要(亡くなってから30日以内)
犬は狂犬病予防法により市区町村への登録が義務づけられているため、亡くなったときは死亡届の提出が必要です。猫やその他のペットには、原則としてこの手続きは必要ありません。
| 項目 | 犬 | 猫・その他 |
|---|---|---|
| 死亡届 | 必要(死後おおむね30日以内) | 原則不要 |
| 提出先 | 市区町村の窓口・保健所・動物愛護センターなど | − |
| 返納するもの | 鑑札・狂犬病予防注射済票 | − |
| ペット保険 | 加入している場合は保険会社へ解約の連絡を | |
提出先の窓口名(生活衛生課・環境衛生担当など)や、郵送・オンライン申請の可否は自治体によって異なります。鑑札などを紛失している場合は、その旨を伝えれば手続きできます。お住まいの市区町村の公式サイトで確認しましょう。
やってはいけないこと・気をつけたいこと
直後は気が動転しやすいものです。次の点に気をつけると、あとで後悔しにくくなります。
- 保冷せず放置しない: 特に夏場は傷みが早く進む。エアコンの効いた涼しい部屋で、しっかり保冷する
- 公共の場や河川敷などに埋めない: 私有地以外への埋葬は不可。自宅の庭に埋葬する場合も深く掘るなど配慮が必要
- 一般ごみとして出すのは避けたい: 自治体によっては引き取り制度もあるが、家族としての見送りを望むなら火葬・供養を検討する
- 焦って即決しない: 動揺したまま契約せず、家族と相談し複数の見積もりを比較する
迷ったときは、かかりつけの動物病院に相談すると、地域の火葬業者を紹介してもらえることもあります。まだかかりつけがない方や引っ越し直後の方は、お住まいの地域から動物病院を探すこともできます。
お別れの時間の過ごし方
火葬までの間は、家族でゆっくりお別れの時間を過ごせる貴重なひとときです。「こうしなければいけない」という決まりはありません。その子らしいお見送りを、家族の気持ちのままに整えてあげてください。
- 好きだったものをそばに: いつも使っていた毛布やおもちゃ、好きだったおやつなどを添える。火葬時に一緒に入れられるかは業者に確認する
- お花で飾る: 季節の花や、その子に似合う花で囲んであげる。トゲのある花や造花は控えめに
- 写真や動画を見返す: 家族で思い出を語り合う時間が、心の整理につながることもある
- 最後の記録を残す: 足型や毛の一部、写真などを手元に残しておくと、あとで供養の品にできる
火葬に一緒に納められるもの(燃えにくい金属・ガラス・大量の副葬品などは不可の場合が多い)は業者によって異なります。事前に確認しておくと当日あわてずに済みます。
火葬のあと:供養の方法いろいろ
火葬が終わったあとの供養にも、さまざまな選択肢があります。正解はひとつではありません。家族が納得でき、無理なく続けられる形を選びましょう。
| 供養の方法 | 特徴 |
|---|---|
| 手元供養 | お骨を自宅で保管し、そばで供養する。小さな骨壺やメモリアルグッズにする方法も |
| ペット霊園への納骨 | 専用の納骨堂やお墓に安置してもらう。個別・合同がある |
| 自宅の庭への埋葬 | 私有地であれば可能。深めに掘り、においや衛生に配慮する。賃貸や公共の土地は不可 |
| 樹木葬・自然葬 | 樹木の下などに埋葬・散骨する。対応する霊園・サービスを選ぶ |
すぐに決められなくても大丈夫です。まずは手元で供養し、気持ちが落ち着いてから納骨先を考える方も多くいます。火葬業者が霊園や納骨サービスを併設していることもあるため、見積もりの際にあわせて相談してみるとよいでしょう。
気持ちの整理も、どうか大切に
手続きや手配に気を取られがちですが、いちばん大切なのはお別れの時間と、あなた自身の心のケアです。大きな喪失感(ペットロス)は、家族を失ったのですから当然の、自然な反応です。涙が止まらない、眠れない、食欲がない、何も手につかないといった状態が続くこともあります。それは弱さではなく、深く愛した時間があった証です。
- 感情を我慢しない: 悲しい・寂しいと感じるのは、それだけ深く愛した証。無理に元気を装わなくてよい
- 思い出を残す: 写真や足型、毛の一部などを手元に残すと、心の整理の助けになる人もいる
- 誰かに話す: 同じ経験をした人や家族に気持ちを話す。つらさが長く続くときは専門の相談窓口も
- 自分を責めない: 「もっと早く気づけたら」と考えがちだが、あなたは精一杯そばにいた
お別れのあと、次の家族を迎えるかどうかも含めて、どうか焦らずご自身のペースで過ごしてください。
ほかのペットや家族への配慮
多頭飼いのご家庭では、残された子が亡くなった仲間のにおいをかいだり、食欲が落ちたり、いつもと違う様子を見せることがあります。動物にも、いなくなった存在を感じ取る力があると考えられています。
- 残された子にも最後の対面を: 可能であれば、そっとにおいをかがせてあげると落ち着くことがある
- いつも以上に見守る: 食欲や元気の低下が続くときは、かかりつけの動物病院に相談する
- 小さなお子さんには: 事実をやさしく伝え、悲しんでよいことを一緒に受け止める。お別れの儀式に参加してもらうのも心の整理に役立つ
家族みんなで見送ることが、それぞれの心の区切りにつながります。無理のない範囲で、その子らしいお別れを整えてあげてください。
よくある質問

亡くなってすぐに火葬しなければいけませんか?
いいえ。しっかり保冷できていれば、涼しい季節で数日、夏場でも保冷剤を交換しながら1〜2日程度は安置できるのが一般的な目安です。お別れの時間を取り、落ち着いてから火葬・供養を手配して問題ありません。
安置に必要なものは何ですか?
ご遺体が入る箱や棺、敷くためのタオルやペットシーツ、保冷剤またはドライアイス、汚れを拭くガーゼなどがあると安心です。特別なものがなくても、涼しい場所でしっかり保冷することが大切です。
火葬はどこに頼めばよいですか?
民間のペット火葬・葬儀業者、自治体の斎場などがあります。合同・個別・訪問など方法もさまざまです。複数の業者に見積もりを取り、総額とサービス内容を比較して選びましょう。
犬の死亡届はいつまでに出せばよいですか?
一般に亡くなってから30日以内が目安です。市区町村の窓口で、鑑札と狂犬病予防注射済票を返納します。手続きの詳細や窓口名は自治体により異なるため、公式サイトをご確認ください。
夜中に亡くなったらすぐ業者に電話すべき?
無理に夜中に電話する必要はありません。保冷をしっかりして朝まで見守り、翌朝落ち着いて相談するのが基本です。夜間対応の詳しい手順は関連記事をご覧ください。
ペット保険に入っていました。何かする必要はありますか?
加入していた場合は、保険会社へ亡くなった旨を連絡し、契約の解約手続きを行います。契約内容によっては葬祭に関する費用が対象になることもあるため、証券や約款を確認するか、保険会社に問い合わせましょう。
自宅の庭に埋葬してもよいですか?
自分の所有する土地であれば埋葬は可能です。ただし、においや衛生面に配慮して深めに掘る必要があり、賃貸住宅の庭や公共の土地、河川敷などには埋葬できません。マンションのプランターなども避けましょう。判断に迷う場合は火葬・霊園での供養が安心です。
火葬に立ち会うことはできますか?
立会個別火葬を選べば、火葬に立ち会い、お骨上げまで見送ることができます。最後までそばにいたい方に向いています。一方で、立ち会わずにお任せする一任個別火葬や、複数のペットと一緒に火葬する合同火葬もあります。家族の希望にあわせて選びましょう。
出典・参考情報
- ペットが死んだらどうする?亡くなった後に飼い主がすべきこと(ハピネス)
- 愛犬が亡くなったときの安置方法|保冷剤の使い方や火葬までの流れ(くらしのとも)
- ペットが亡くなったら最初にすることは?ご遺体の安置方法(COCOペットジャーナル)
- 飼い犬の届出について(世田谷区公式ホームページ)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医療行為・診断や、法的手続きの助言に代わるものではありません。安置・火葬・供養の方法や費用、役所手続きの詳細は、各業者・お住まいの自治体の公式情報をご確認ください。掲載の内容・費用は変更される場合があります。
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