犬種・猫種別

猫の品種・ルーツを遺伝子検査で調べる|どこまでわかる?費用と受け方

執筆・編集: うちの子のかかりつけ編集部

「うちの子は何の品種が混ざっているんだろう?」という疑問は、遺伝子検査である程度たどることができます。ただし、猫の遺伝子検査は「品種をピタリと当てる検査」ではありません。わかるのは、受け継いだ遺伝子がどの地域・系統の猫に近いかという「ルーツ(祖先)」の傾向や、毛色・被毛の型、遺伝性疾患のリスク素因などです。雑種(ミックス)の猫でも受けられ、口の中を綿棒でこするだけで採取できます。この記事では、猫の品種・ルーツを遺伝子検査で調べるとどこまでわかるのか、費用や受け方、結果の見方までを結論からわかりやすく整理します。健康管理にかかわる結果で気になる点があれば、必ず獣医師に相談してください。

猫の品種・ルーツは遺伝子検査でどこまでわかる?

まず正直にお伝えすると、猫の遺伝子検査は「この子はアメリカンショートヘア100%」といった品種を特定する検査ではありません。犬に比べると猫は品種間の遺伝的な違いが小さく、ルーツの推定にとどまるのが一般的です。それでも、次のようなことは手がかりとして知ることができます。

わかること(例) 内容
ルーツ(祖先)の地域・系統 受け継いだ遺伝子が、世界のどの地域・系統の猫に近い傾向があるか
毛色・被毛にかかわる遺伝子 毛の長さ、毛色や柄のパターンを決める型
体質にかかわる情報 血液型など(サービスによる)
遺伝性疾患のリスク素因 多発性嚢胞腎(PKD)や肥大型心筋症(HCM)などの素因の有無

たとえば「アジア出身で、短毛の縞(しま)柄の猫」といったルーツの傾向がわかった、という利用者の声もあります。品種そのものの証明にはなりませんが、うちの子の生い立ちに思いをはせたり、健康管理の参考にしたりする材料になります。遺伝子検査全般の基本は、関連記事の猫の遺伝子検査でわかること・費用・受け方で解説しています。

なぜ猫は「品種特定」が難しいのか

犬は数百年かけて用途ごとに極端な選択繁殖が行われ、品種間の遺伝的な差がはっきりしています。一方、猫の多くは人の生活のそばで比較的自由に繁殖してきた歴史が長く、純血種として体系的に管理されるようになったのは近年のことです。そのため、品種間の遺伝的な違いが犬ほど大きくなく、「品種を断定する」精度は出しにくいのが実情です。

だからこそ、猫の検査は「品種当て」ではなく「ルーツ(祖先)の傾向」や「毛色・体質・疾患リスクの遺伝的特徴」を知るものと理解しておくと、結果を正しく受け止められます。過度な期待をせず、あくまで手がかりとして楽しむのがおすすめです。

ルーツ・品種の遺伝子検査でわかる具体例

猫の顔のアップ

サービスによって内容は異なりますが、ルーツや体質にかかわる検査では次のような結果が得られます。

  • 祖先の系統: 世界の猫の系統(地域グループ)のうち、どこに近い遺伝子を受け継いでいるかの傾向
  • 被毛の遺伝子: 長毛・短毛のどちらの遺伝子を持つか、毛色や柄にかかわる型
  • 特徴的な遺伝子: 一部の猫種に特徴的な遺伝子の型を持つかどうか
  • 疾患リスク素因: 猫種に関連する遺伝性疾患の素因の有無(あわせて調べられるプランがある)

ルーツと同時に遺伝性疾患のリスク素因も調べられると、健康管理にも生かせます。遺伝性疾患について詳しくは猫の遺伝性疾患と多発性嚢胞腎の検査もあわせてご覧ください。

費用の目安

ルーツや品種にかかわる検査の費用は、内容やサービスによって幅があります。あくまで一般的な目安で、最新の料金は必ず公式サイトでご確認ください。

検査の内容 費用の目安
疾患の単項目検査 1項目あたり約3,300〜7,500円前後
基本プラン(体質・毛色などを含む) 約5,500円前後から
ルーツ・複数項目をまとめたプラン 約1万〜3万円台

ルーツを調べる検査は海外の検査会社が提供していることもあり、内容や納期はサービスごとに大きく異なります。「何を知りたいのか」を先に決めてから、目的に合うプランを選ぶと満足度が高くなります。費用感の全体像はペット保険は必要かもあわせて検討の参考にしてください。

国内サービスと海外サービスの違い

ルーツや品種にかかわる検査は、国内の検査会社が提供するものと、海外の検査会社が提供するものがあります。それぞれ特徴が異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。

比較の観点 国内サービス 海外サービス
結果の言語 日本語でわかりやすい 英語のことがある(翻訳が必要な場合も)
納期 おおむね2週間前後が目安 国際発送のため長くかかることがある
調べられる内容 猫種別の疾患リスクや体質が中心 ルーツ・祖先の推定に強いサービスもある
問い合わせ 日本語で相談しやすい 言語や時差の面で対応に時間がかかることも

「日本語で手軽に、健康管理にも生かしたい」なら国内サービス、「ルーツの推定を詳しく知りたい」なら海外サービスも選択肢になります。どちらにしても、料金・納期・結果の言語を事前に確認し、目的に合うものを選びましょう。

検査の受け方・流れ

ルーツや品種の検査も、遺伝性疾患の検査と同じく、自宅キットでの採取が主流です。おおよその流れは次のとおりです。

  • (1) 申し込み: 公式サイトで調べたい内容・プランを選んで申し込む
  • (2) キット到着: 綿棒(スワブ)や説明書が自宅に届く
  • (3) 採取: 口の中の頬の内側を綿棒で20〜30秒こすって細胞を採る。痛みはほとんどなく短時間で終わる
  • (4) 返送: キャップをしっかり閉めて郵送する
  • (5) 結果確認: 検体到着後おおむね2週間ほどで、会員ページや証明書で確認できる(サービスにより異なる)

採取がうまくいかないとDNA量が足りず再検査になることもあるため、説明書どおりにしっかりこすって採るのがコツです。口をさわられるのが苦手な子は、落ち着いているときにやさしく行いましょう。はじめての検査で不安があれば、はじめての動物病院受診のチェックリストも参考になります。

こちらをのぞく猫広告うちの子のルーツ・体質を自宅で調べる【Pontely】猫の遺伝子検査サービス。口の中を綿棒で採取して送るだけ。毛色・体質や遺伝性疾患のリスク素因も確認できます。料金・お申し込みは公式サイトへ。猫の遺伝子検査を見る →

結果を楽しみながら、健康管理にも生かす

ルーツや品種の検査は、うちの子の生い立ちを知る楽しさがある一方で、健康管理のヒントにもなります。次のように受け止めると、より役立ちます。

  • ルーツは「傾向」として楽しむ: 品種の断定ではないため、あくまで参考として受け止める
  • 毛色・被毛の型は日々のケアの参考に: 長毛の型ならブラッシングを丁寧にするなど
  • 疾患リスク素因は健診に生かす: 気をつけたい病気がわかれば、健診の重点や観察ポイントを獣医師と相談できる
  • 気になる健康の結果は獣医師へ: 疾患リスクにかかわる結果で不安があるときは、証明書を持参して相談する

遺伝子検査は病気の診断・治療の代わりにはなりません。ルーツを知る楽しみと、健康を守る備えの両面で、上手に活用しましょう。

検査を選ぶときの注意点

ルーツ・品種の検査を選ぶときは、次の点を確認しておくと期待とのギャップが生まれにくくなります。

確認する点 内容
品種特定ではないと理解する 「純血種の証明」や「品種の断定」はできないことが多い
知りたい内容が含まれるか ルーツだけか、毛色・体質・疾患リスクも含むか
納期・言語 海外サービスの場合、結果の言語や納期を確認
料金の内訳 基本料金・追加項目・送料の合計を確認

健康管理を重視するなら、ルーツだけでなく遺伝性疾患のリスク素因も一緒に調べられるプランを選ぶと一石二鳥です。ルーツを知る楽しみと、将来の病気に備える実用性を、一度の採取で両立できるからです。かかりつけの獣医師に相談してから選ぶと、その子の猫種で優先度の高い項目がわかり、より納得して受けられます。かかりつけ探しはかかりつけ動物病院の選び方や地域の動物病院を探すから始められます。

ルーツ検査で「わかること」をもう少し詳しく

ルーツ(祖先)の遺伝子検査では、世界の猫を遺伝的な特徴でいくつかの系統(グループ)に分け、うちの子がどの系統に近い遺伝子を受け継いでいるかを推定します。猫は人とともに世界各地へ広がってきた歴史があり、地域ごとに遺伝的な特徴が少しずつ異なります。その違いを手がかりに、ルーツの傾向を読み解くのです。

  • 地域系統の傾向: たとえばアジア系・ヨーロッパ系など、どの地域の猫に近いかの傾向がわかることがある
  • 被毛のタイプ: 長毛・短毛のどちらの遺伝子を持つか、毛色や柄にかかわる型
  • 体の特徴にかかわる遺伝子: 一部の猫種に特徴的な遺伝子を持つかどうか

「うちの子はどこから来たんだろう」という素朴な好奇心を満たしてくれるのが、ルーツ検査のいちばんの魅力です。実際に受けた方からは「短毛の縞柄でアジア出身という傾向が、見た目の印象と一致していた」といった声も聞かれます。ただし、これはあくまで遺伝的な傾向であり、確実な出自の証明ではないことは覚えておきましょう。

猫種がわかると健康管理にどう役立つか

ルーツや猫種にかかわる傾向がわかると、単なる「へえ、そうなんだ」で終わらず、健康管理にも生かせます。猫種によって気をつけたい病気やケアのポイントが異なるからです。

わかった傾向 健康管理への生かし方(例)
長毛の遺伝子を持つ 毛玉や皮膚トラブルを防ぐため、こまめなブラッシングを習慣にする
特定の猫種に近いルーツ その系統で知られる遺伝性疾患を意識し、健診の重点を獣医師と相談する
体格・骨格の傾向 関節に配慮した生活環境(段差の工夫など)を整える
疾患リスク素因あり 早期発見のための観察ポイントを決め、定期健診を欠かさない

ただし、これらはあくまで「傾向」です。ルーツの結果だけで健康の方針を決めるのではなく、日々の観察と定期健診を土台にしながら、参考情報として活用するのが正しい使い方です。気になる健康の変化があれば、ルーツの結果に関係なく受診してください。

ルーツ検査と純血種の「血統書」は何が違う?

ルーツを調べる遺伝子検査と、純血種に発行される血統書(血統証明書)は、まったく別のものです。混同しないよう整理しておきましょう。

  • 血統書: 猫種の登録団体(血統登録団体)が、親・祖父母などの血統をたどって発行する「家系の記録」です。純血種であることの証明として使われます
  • ルーツの遺伝子検査: DNAを解析して、受け継いだ遺伝子がどの地域・系統に近いかの「傾向」を推定するものです。品種の証明や血統書の代わりにはなりません

つまり、ルーツの検査結果は「血統書がない雑種の子の生い立ちを楽しむ」「毛色や体質、疾患リスクの傾向を知る」ためのもので、純血種の証明が必要な場面(キャットショーや繁殖登録など)には使えません。目的をはっきりさせて選びましょう。純血種を迎えるときの健康面の考え方は猫の遺伝性疾患と多発性嚢胞腎の検査もあわせて参考にしてください。

検査でわからないこと・注意しておきたいこと

期待とのギャップを避けるため、ルーツ・品種の遺伝子検査で「わからないこと」も知っておきましょう。

  • 正確な品種の断定はできない: 「○○という猫種です」と断定する検査ではありません。あくまでルーツの傾向です
  • 性格や賢さはわからない: 性格は遺伝だけでなく育った環境や経験に大きく左右されます
  • 今の体の状態はわからない: 遺伝子検査は生まれ持った素因を調べるもので、現在の病気の有無は健康診断で確認します
  • 結果は確定診断ではない: 疾患リスクの素因がわかっても、発症の有無は診察や検査で判断します

これらを理解したうえで受ければ、「思っていたのと違った」というがっかりを避けられます。ルーツの検査は、うちの子への理解を深める楽しい材料として、そして健康管理のきっかけとして、肩の力を抜いて活用するのがおすすめです。結果に一喜一憂しすぎず、あくまで「うちの子をもっと知るための一つの視点」として受け止めるのがちょうどよい距離感です。健康面で気になることがあれば、ルーツの結果にかかわらず、まずは猫がごはんを食べないときなどの症状の記事も参考に、早めに獣医師へ相談しましょう。日ごろの観察と定期健診こそが、うちの子の健康を守るいちばんの土台です。

よくある質問

遺伝子検査で猫の品種を正確に特定できますか?

いいえ。猫は犬に比べて品種間の遺伝的な違いが小さく、「品種を断定する検査」ではありません。わかるのは、受け継いだ遺伝子がどの地域・系統に近いかという「ルーツ(祖先)の傾向」や、毛色・体質、疾患リスク素因などです。参考情報として受け止めましょう。

雑種(ミックス)の猫でもルーツはわかりますか?

受けられます。むしろ雑種の子の生い立ちを知る手がかりとして活用されることが多い検査です。ただし品種の証明ではない点に注意してください。

ルーツの検査と健康の検査は別々ですか?

サービスによっては、ルーツや毛色・体質と、遺伝性疾患のリスク素因を一緒に調べられるプランがあります。健康管理も重視するなら、両方を含むプランを選ぶと効率的です。

採取は難しいですか?

自宅キットは口の中の頬の内側を綿棒でこするだけで、痛みはほとんどありません。ただしDNA量が足りないと再検査になることがあるため、説明書どおりにしっかり採るのがコツです。口をさわられるのが苦手な子は落ち着いているときに行いましょう。

結果はどのくらいで届きますか?

サービスによりますが、検体が検査施設に到着してからおおむね2週間ほどが目安です。海外サービスの場合はさらに時間がかかることもあるため、事前に納期を確認してください。

費用はどのくらいですか?

基本プランは約5,500円前後から、ルーツや複数項目をまとめると約1万〜3万円台が目安です。内容やサービスで幅があるため、最新の料金は公式サイトでご確認ください。

疾患リスクの結果で心配な内容が出ました。どうすれば?

結果証明書を持って、かかりつけの獣医師に相談してください。遺伝子検査は確定診断ではないため、実際の状態は診察や必要な検査で確認します。自己判断せず、専門家に説明を求めるのが安心です。

出典・参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医療行為・診断に代わるものではありません。遺伝子検査は品種を特定するものではなく、また病気の診断・治療の代替にもなりません。健康にかかわる結果で気になる点があるときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。掲載の費用・サービス内容は変更される場合があります。

お住まいの地域の動物病院を探す 全国4,600件以上から、うちの子に合ったかかりつけ医を見つけましょう。

動物病院を探す